ところが、着けてみるともう、ムチャクチャええの!!

外装は超こだわり変態圧倒的フェチ集団のIWCだから本当に隙がないし、薄型ムーブメントETA2892-A2を搭載して時計ケース本体の厚みを絞り込めたもんだから、腕にきっちりと密着するし、さらにブレスレットはエッジがきっちりと立っていてシェイプが明らかになっていながらも、まろやかに着けやすいように配慮されており、しかも時計ケース本体とブレスレットの重量バランスも本当に適切にデザインされている・・・

何が良いって、この薄さですわ。

強烈に薄いとまた不安があるんだけど、まあ10〜11mmくらいまでならそれほど不安はないですよね。

むちゃくちゃ薄いということはそれだけ中の機械の設計に無理をしているということです。

有力な対抗馬であるロレックスのエクスプローラー1(214270)は分厚い「コロンコロン」感が半端ない感じがしますが、実は厚みは11.5mmとこのマーク18よりも0.5mm分厚いだけです。

でも、腕に載せてみるとマーク18よりも「盛り上がっている」感が半端ない(笑)

これはおそらくケースの形状的な問題なのでしょうね。

厚みはまあまああっても、その厚みをうまく縦、そして横に水平方向に伸ばしている・・・。

一箇所に重みが集中したりしないため、ケースの重心のバランスがしっかりと取られている印象です。

この重心バランスの巧みさはマーク16でも感じましたが、実際に触ってみると改めて実感します。

まあ、ロレックスの場合は防水性も考えたオイスター・ケースの構造もあるので仕方がないのかもしれませんが・・・

着け心地はいいんだけど、なんか盛り上がっている感がすごく伝わってくるわけです。

IWCの場合はさっさと割り切って完成された薄型ムーブメントであるETA2892-A2を採用し、結果として時計ケース本体の厚みを絞り込み、さらに磁気をブロックする軟鉄ケースまで中に押し込んだ・・・。

自社ムーブメントにこだわるよりもパッケージングを優先したIWCの勝利です。

マーク18の1世代前のモデル、マーク17もしっかりと重量バランスに配慮されていたのか、ケース幅41mmとまあまあ大きいサイズなのにもかかわらず、着けごこちはそれほど悪くないモデルです。

文字盤のデイト表示のデザインについては確かに好みが別れる可能性がありますが、これが好きな人もいるかも・・・と思います。

ロレックスGMTマスターII・青黒ベゼル 116710BLNR 作りの良さは鉄壁、他のメーカーとの差は依然として大きい

ロレックスGMTマスターII・青黒ベゼル 116710BLNR 作りの良さは鉄壁、他のメーカーとの差は依然として大きい

仕様:ステンレススチールケース&ブレスレット、自社製クロノメーター自動巻きムーブメントCal.3186(パワーリザーブ約48時間:耐磁性を備えたパラクロムヒゲゼンマイ採用)、サファイアクリスタル風防、防水性:100m防水、両方向回転セラミックベゼル(青&黒)、日付表示、ブラック文字盤、ねじ込み式リューズ、文字盤のインデックスと針にクロマライト夜光塗料)、24時間表示針(3時間帯表示可能)
※今回ご紹介します個体は友人所有のものであり、ブレスレットはデイトジャストのジュビリーブレスレットに、時計ケース本体の裏蓋はスケルトン仕様に付け替えられています。

サイズ:ケース約横40mm、約厚み12mm

定価:税込91万8000円

まあ、なんだかんだと言いましたが、いい時計ですよ(笑)実際隙がない。

でも、やっぱりこの形は受け入れられん・・・

僕個人的には女性のウエストのごとくキュッと引き締まったラグを持つ5桁世代の方が好きですね。

スポーツ時計たるもの、精悍な顔をしていて欲しいと思うのです。

それが大きく横へ広がってしまう・・・

いつまでも使える現役時計として、たとえオーバーホールごとに研磨していったとしても、ケースが痩せないようにという配慮なのかもしれませんが、どうせおま〜のところは何回かオーバーホールしたら「防水性が保証できないので、ケース交換しなければうちではオーバーホールを受け付けられません」みたいな杓子定規なこと言うんだろ〜が(笑)

王者ロレックスを猛追する某メーカとは 2018年前半通信簿

今年もすでに下半期に入ってしまっていますが、相変わらず時計業界ではあまり景気のいい話は聞こえてこない気がします。

中国の爆買い終焉がやはり一番痛かったのでしょうが、ただの時計キチの素人意見としては、爆買い終焉まで時計業界全体が材料費高騰だの、為替だのとバンバン値上げをして成層圏まで突入しようした結果として突然の下からハシゴはずし・・・

正直に言えば、皮肉なものを感じてしまいます。

ここまで時計業界が冷え切ってしまうと、王者ロレックスの強さがさらに際立っているように思えますが、そのロレックスもなぜか生産終了しているモデルが現行品をぶち抜いてこの不景気の中ガンガン高騰している有様・・・

しかもそのロレックスを背後から猛追するメーカーがあるようなのです。

王者ロレックスを猛追する某メーカとは ここ10年でそれぞれブランドの立ち位置は変わったのだろうか?

ここ10年で時計を製造する機械の性能が上がり、時計業界全般的に時計のクオリティー、特に外装の質が上がりました。

これはこれで大いに歓迎するべきことなのですが、やはりそうやって設備に投資した分はいずれ回収しなければいけないわけで・・・大幅にお値段も上がりましたよね。

そして、時計のクオリティーが上がったといっても、それは底上げに等しいような感じで、結局のところ各メーカーの位置はあまり変わらなかったような気がします。